碁石山の朝勤行 毎日配信中!

経緯

四国霊場の札所で、コロナで参拝できない人向けに24時間本堂をライブ配信しているお寺があると聞いて、ウチもできないかなぁ〜っといろいろ模索したら普通にできることがわかりました。

なので、毎朝の勤行をライブ配信することに決めました。

とは言え、洞窟&暗い&煙い&雨漏り&電波悪いetc・・・もろもろ機材泣かせで、難易度が高いのですが、私の法力(カメラの性能)と波切不動明王の霊験(PCの性能)と真言密教の秘法(iPhoneの通信速度)の合わせ技で、けっこう見られる画質に落ち着いたんじゃないかな、と思います。

あまり知られていないことかもしれませんが、小豆島に来てからずっと、朝碁石山に登って護摩祈祷しています。
コロナ禍になって誰も来ないけど、誰も居ない中でも、年間の祈祷をしてくださっている人がいるので護摩祈祷しています。
ご祈祷の期間が飾りではなくて、有言実行していることをコロナで参拝できない人にも送り届けられたら嬉しいです。

一週間やってみて・・・

しみじみ 初めて良かったと思います。
理由は大きく3つあります。

YouTubeとかライブ配信の目的はさまざまありますが、自分にとっては、見られることを意識することで「背筋が伸びる」というのが1番よかった点。

一週間前の自分と比較すると圧倒的に洗練されていると思います。
生活リズム・体調管理を気にする等、それに付随してもろもろ良いことずくめです。
台本を見ずに話すことで、「あのー病」「えーっと病」の治療にも効果があるはずなので、そこも継続していきたいです。

2番目の効能は、いろいろやっていく中で得た知見を、人にシェアできることです。

教えるレベルに至らないことも、「まだわかってないことも多いけど・・・」という前置きを発しつつ、自分なりの最新をシェアします。
そのプロセスの中で、フィードバックを得て、発見があり、現場での実践があり、経験と知識が更新していきます。
プロの現場の速度に比べると鈍重で、足りていない部分も多いですが、食べていけるレベルでなくても、スキルを磨いておかないとこの先10年を生きていくのが大変です。
中途半端な、なんでもないところで躓く人間が伝えるからこそ、わかりやすいという部分も無きにしもあらず、教え子が早く成長して逆に教えてもらうことを目指しています。

3番目が、毎日ちゃんとお勤めしてますよ!の周知。

当初の目的で、これが早く1番目に来られるように継続していきたい。
リアルタイムで視聴してくださっている人もいるので本当に嬉しい。頑張れます!

そんなわけで毎朝8:00からLIVE配信中。

撮影環境

ライブ配信にはインターネット環境が必要ですが、碁石山には有線でのインターネット回線は来ていません。

なので、ドコモの電波でテザリング(スマホをルーターにしてパソコンと通信する)をしてインターネットに接続しています。

昨年までは、届いている電波が弱くて、ガタガタカクカク&電波受信のマークがぐるぐる回って、とてもじゃないが見られるような動画になりませんでした。
通信容量も膨大になって、毎日の配信は現実的じゃなかったと思います。

しかし、コロナ禍を経て、電波状況がよくなり、ドコモの契約も5Gだと容量無制限となったため、可能となりました。
できないと思いこんでいたものがようやくできる、というのがわかった、という感じです。

インターネット➖➖スマホ(iPhone)➖➖パソコン(MacbookAir)➖➖カメラ

というのが、ざっくり全体の構造です。

カメラ

カメラはFujifilmのX-T4というデジタル一眼カメラを使っています。
最高性能というわけではありませんが、十分キレイな4K映像を撮れるカメラです。

FUJIFILM X-T4

カメラとパソコンの接続はHDMIケーブルで行っています。
X-T4はHDMI出力で、4K60P 4:2:2 10bitというプロの現場でも使われるほど高画質データを転送できます。
ライブ配信ではフルHDあれば十分ですので、オーバースペックですがその実力を如何なく発揮して満足のいく画質を得られました。

X-T4には、USBケーブルによるパソコンへの画像転送機能もあるのですが、試した結果、圧倒的にHDMIが高画質だったので、そちらを採用しています。


レンズ

カメラと同様に非常に重要になってくるのがレンズで、FUJIFILMのXシリーズの中では一番明るい広角レンズXF16mmF1.4Rを使用しています。

FUJIFILM XF16mmF1.4R

薄暗い洞窟という環境においては、なんとて明るいレンズが欠かせません。
XF10-24mmF4というより広角な画が撮れるズームレンズもあるのですが、F4では暗すぎてノイズだらけになってしまうところ、F1.4開放なら適度に御本尊をボカせて雰囲気のある映像になります。

カメラはレンズとセットで性能を発揮するものなので、どちらが欠けてもだめで、この組み合わせだと個人的には満足できます。


マイク

マイクはいろいろ試した結果 Marantz MPM1000U に落ち着きました。
これもすごく高性能というわけではないですが、接続が簡単で、朝さっとセッティングするには最適です。

Marantz MPM1000U

マイクはICレコーダーにXLR端子でガンマイクを接続すると、少し音質がクリアになりましたが、設営の面倒臭さで、手間対効果が薄いと判断しました。

大事なのは、マイクの距離と位置で、そこを押さえれば、USBマイクで十分と結論づけています。(今のところ)

こういうのは自分でいろいろ試さないとわからないですね。


照明

洞窟の中は薄暗いので、ライティングをしっかりすればスマホでもいい感じの画は撮れます。

ただし、雰囲気を保ったまま、となると、人工の光で作り込むよりも、ロウソクの明かりをメインにして、その補完としてのライティングになります。

CLAYMORE 3FACE+Xを使っています。

CLAYMORE 3FACE+X

このライトは、撮影用ではなく、キャンプ用品なのですが、光の種類を変えられて電球色を出せるので、ロウソクの色とバッティングしません。
光量も十分で、最弱の明るさにしています。


三脚

三脚はBENROの古いアルミ三脚を使っています。現行品だとAF28+というのが近いかな。

BENRO AF28+

重さなどの携帯性は気にしなくていいのですが、カメラの位置が180cm以上になる方が俯瞰映像が撮れるので、大きなモノを使っています。
AF28+の最伸長は167cmですが、雲台の高さを加えると、180cm付近になるので十分です。
三脚選びは用途によってさまざま意見が別れますが、定点での動画撮影においては、高価なビデオ三脚は不要で、携帯性を捨てて、安定感のあるアルミ製の重い三脚で、伸縮段数は3段〜4段で高伸長、雲台は自由雲台で水平が出せればOKです。
この条件だと、中古で1万円台でも十分良いものが買えます。

BENROは中華メーカーですが、その中では老舗で、製品もしっかりしているので、国産メーカー並に安心感があります。
BENROの中で一本良い三脚を選ぶとしたら、TGP27Cという三脚です。高さと寄りの画が撮れる使い勝手の良い三脚だと思います。

BENRO以外でオススメの中華メーカーはSIRUIとVANGUARDですね。
最近はK&F ConceptやUlanzi、Neewerなんかと比べると安心感が一段上に感じています。
とは言え、国産や舶来が買える予算があるなら、そちらを選択するもの多いにアリです。


一脚

SIRUIのP-424Sをマイクスタンドとして使っています。

SIRUI P-424S + VA-5

一脚にしては重くて携帯性が悪いですが、それを補って余りある199cmまで伸びる自立式一脚です。
マイク程度の重さであれば、微動だにしない安定性で、長らく重宝しています。
伸ばした先にジンバルを付けると、疑似ドローン的な画が撮れます。いろいろ使える。


パソコン

紹介が遅くなりましたが、最重要項目です。
動画配信はけっこうなマシンスペックが求められます。

Apple MacbookAir M1(2020)を使っています。

M1チップを積んだMacは、2020年から登場しましたが、私の生活を劇的に変えてくれました。
なぜなら処理が速いからです。
それまで使っていたMacbook Pro 2015では、トロくてやる気が起きなかった動画編集も快適で、いろんなことを試したくなる私にとっては救世主な存在です。


ソフトウェア

ソフトウェアは定番のOBSを使っています。

ハードウェア配信機材BlackMagicDesign社のAtemMiniProがほしいのですが、シンプルに配信するならOBSだけで十分です。
画質的にはフルHDまで出力できるので、最高設定で配信しています。

配信以外の編集が必要になる場合は、BlackMagicDesign社のDavinci Resolveというソフトを使っています。無料で高価なソフトと同等なことができます。
Adobe社のPremiereProや、Apple社のFinalCutProを今から勉強しよう、とか考えている人には、DavinciResolveをオススメしたいです。何でもできます。


スマホ

iPhone 12 Pro max を使用しています。写真も動画も素晴らしい画質です。

テザリングにしても、安定していて素晴らしい。

サイズが大きいので、コンパクトで画質が同等の12Proの方が、ジンバルに載せやすく汎用性があると思います。
Maxは画面が大きいのは良いんですが、大きすぎ&重すぎです。

YouTubeのチャンネル登録者数が増えると、スマホ単体で撮影して配信ができるのですが、洞窟の中で撮影している場所は電波が届かないので、洞窟の入り口にスマホを置いて、スマホとパソコンをWi-Fi接続しています。

このWi-Fiが比較的安定しているので、フルHDでの配信が可能になっています。


以上、簡単ではありますが撮影環境を紹介しました。

他にあればいいなと思うのが・・・
HDMI無線機、マイクも無線ピンマイクになれば、便利そうですが、費用対効果を考えると、手持ちの道具で十分だと思います。

毎日、設定を変えて、最適解を探していますので、機材は変わっていくと思いますが、視聴に耐えうる画作りを意識して毎日励んでおります。

これからもよろしくお願いいたします。
そして、チャンネル登録もよろしくお願いいたします。

2021-06-23 | Posted in お知らせ, 坊主カメラComments Closed 

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