卒業遍路2020やりました。

土庄町地域おこし協力隊2年目の立屋(たてや)です。今回スタッフとして初参加させていただきました。いきなりですが少し私の経歴についてのお話しを。私は東北の山形出身です。大学卒業後上京し、デザイン系業種で勤務後、前職は某アウトドアメーカーで9年間働いていました。

アウトドア業界での経歴を活かし、今後の協力隊の活動において、【お遍路】という面白いコンテンツがアウトドアと融合ができないかと模索していました。歩くという観点から【トレッキング・ハイキング】、走りながら登る【トレイルランニング】など、地域に根差したアウトドアの可能性を探れないだろうかと。ただお遍路超初心者であるため、【お遍路とはなんぞや?】ということと、私自身がお遍路に対して、これからどう対峙していくかを見極める時間にしたいとの思いがあり参加させていただきました。

今回は新型コロナウイルスの影響で、開催の有無が一番の課題になっていました。学校閉鎖から始まるイベントの自粛ムードで自由に遊べないという状況下、学校や教育委員会、親御さんなどに確認を取りつつ、イベント内でも密集しないような配慮や、ウイルス対策をしっかり講じていました。

まずお遍路云々よりも、卒業遍路に参加する子供たちに対するリスクマネジメントに重きを置く姿勢に感動を覚えました。これはアウトドアツアーを行う上で最重要事項であり、参加者の安全を確保できてこそ、イベントを最大限に楽しめる権利を得ることできるから。

コロナ対策だけでなく、41番の仏谷山から40番の保安寺までの下りの急坂でも、ゆっくり歩くことを促すことはもちろん、スタッフが手助けをし、滑らないような補助ができていました。私はイベントの直前からの途中参加だったのですが、これは行程の下見がしっかりできているということ。事前準備の中でも【下見】とは行程の安全性を確認するためにとても大切な事項です。催行中のイレギュラーは往々にしてあります。そのときのエスケープルート(別ルート)の策定をしたり、イレギュラーに対しての様々な対策が重要になります。この時点でリスクマネジメントありきの取り組みをされている卒業遍路実行委員会の方々にただ脱帽でした。

すばらしき卒業遍路!を根底に持ちつつ、私の参加課題の【お遍路とはなんぞや?】について超初心者の私が感じたことを以下に記していきます。

【今回のお遍路行程】36番釈迦堂~37番明王寺~38番光明寺~39番松風庵~35番林庵~42番西ノ瀧~41番仏谷山~40番保安寺

お遍路はただただ長い道を黙って歩くイメージでした。小豆島の八十八か所お遍路は山岳霊場が多いことから、起伏に富み、島ならではの景観を望めるので、とても楽しく歩くことができました。途中【橋を通る際は杖を突かない】ということを教わりました。橋の下で弘法大師が休憩されていたため、杖を突くと音でうるさくて眠ることができなかったからだそうです。お遍路の片鱗に触れることができた嬉しさで、思わず人に伝えたくなるお話でした。

41番の仏谷山では護摩焚きを。その気持ちの良い煙に包まれながら、「過去に囚われず、今を大事に生きること」を説いていただきました。私自身が過去に囚われやすいところがあるので、過去は過去と割り切り、「現状をどう丁寧に生きていくかを考えていこう!」と思えた瞬間でした。ただ歩く、登るだけではなく『人生を見つめ直すことができる!』これがお遍路の醍醐味だろうと思います。

もうひとつの参加課題、お遍路への対峙についてですが、少しでも快適に歩けるようにアウトドア目線での提案・提言ができないだろうかと思っています。

まず服装。山歩きの基本はレイヤリング!暑くなったら脱ぐ。寒くなったら着る。体調を崩さないためにも、体温調整ができるような服装の用意は大切。あと下着は綿ではなく、化繊(ポリエステル系)が望ましいです。そう考えるとこれからはお遍路さんの装備についても検証していかなければ!ですね。

今回みなさんと一緒に歩いて感じたことは、若さゆえの勢い任せになる歩き方はケガに繋がりやすくなるということ。歩幅や下りで滑りにくい歩き方、水分の取り方など知ることで疲れにくくなり、より楽しいお遍路にすることができます。歩きながら伝えることもできますが、予備知識として事前に伝える場を作っていけたらと考えています。

コース整備にも協力していきたいです。自ら整備することで、もっとお遍路を身近な存在と捉えていきたいです。

最後に学生さんと一緒に遠足気分で歩けたこと、素晴らしいスタッフと共に卒業遍路に関われたことに感謝です。ありがとう!(卒業遍路引率スタッフ 立屋香織)

2020-04-07 | Posted in お知らせ, 体験談, 卒業遍路Comments Closed 

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