お知らせ
お寺の人間として、ドローンや動画についての考え方
お寺の人間として、ドローン撮影や動画撮影についての考え方を述べます。
個人でドローンを購入して簡単に飛ばせる世の中になりました。
また、動画についてもGoProに代表される付けっぱなし、回しっぱなし撮影がお手軽にでき、デジタルカメラの動画機能も、美しい4k動画がお手軽に撮れる時代です。
個人的には、動画を見るのは好きで、自分でも撮ったり編集するので、その良さは十分理解していると思います。
まずメリットを強調しておくと、
ドローンの俯瞰的な映像、高画質な動画によって、圧倒的なわかりやすさで、多くの人にお寺の魅力を周知することができます。
観光PR的な要素はもちろん、建物の保全や遍路道の維持、文化遺産的な価値の再認識など、付随的な役割も少なくありません。
お寺というものは、そこに人が来てくれなければ価値がありません。歩いてくれる人がいなければ道は無くなっていまいます。
そのメリットをまず重々認識することが大事です。
一方で、静かなお寺の境内にあって、「ブィーーーーーーーーーーン」と似つかわしくないドローンのプロペラ音が聞こえてくるとギョッとします。
動画においても、気づけば無言ですり足で、スタビライザーに載せたカメラで動画を撮っている人を見かけます。
この時、私のとる行動は「やめてください」です。
意外に思うかもしれませんが、めっちゃ嫌な顔をします。相手が居づらくなって退散するのを見届けます。
後で、SNSで文句書かれているかもしれませんが、知ったことではないです。
理由は、参拝者の迷惑になるから。それだけです。
では、参拝者が誰もいない時ならOKなのか?と聞かれればそれもNGです。
理由は、勝手に撮ることを当たり前にして欲しくないからです。
要するに、許可をとれ!ってことですよ。
勝手にとる人が多すぎる。
勝手に撮ってもいいと思っている人は、自分が経営しているお店の中を、勝手に撮影してウロウロしている人がいる状態を想像して欲しい。
お寺だったら許されますか?
「〇〇のために、ドローンを飛ばしたいのだが、今飛ばしても大丈夫ですか?どこか撮ったらダメな場所はありますか?」
たったそれだけの手間ですよ。
それで、ここの本堂は国宝なので、落下の危険があるのでNGです。と言われたら、それで引き下がって欲しいです。
ここは参拝者が多いので動画撮影も三脚撮影もNGです。ルールに従いましょう。
参拝時間前の早朝か、閉門後であれば撮影可能ですか?選択肢を出して互いの意見をすり合わせしたいです。
それくらいお寺に言う権利がありますよね。
撮影の肖像権の話も似たようなところがあって、
勝手に撮られて、SNSでアップされたり、写真展に応募されて衆人環視にされされるのが嫌なら、許可をとりましょう。
嫌に思う人がいると想像できたら許可をとりましょう。喜ばれると思ったら勝手に撮ってプリントしてあげたらいいと思うし、何でもかんでも人は撮ったらダメって話ではないですよ。
それで解決されると思いますけどね。
ふれあい徒歩大巡行 2019
小豆島霊場会主催の歩き遍路行事。
例年は年2回 春と秋に開催していましたが、今年は年4回で2、3、4、5月と連続してあります。
小豆島霊場を全8コースに分けて、その中から好きなコースを選んで歩く、というのも変更になって、各回2コースの中から選択して巡拝します。
毎回参加しても、一周するのに4年かかっていたのが、2年で結願できるようになりました。その代わり、2〜5月に集中して、夏以降無くなってしまったのは、一長一短ありますね。
個人での歩き遍路と違うのは、必ず先達さんがつきます。先達さんの指示にしたがって動く一個の遍路団体として、一日お遍路します。
当日開催コースが少なくなったメリットとして、必ず霊場寺院の僧侶が、1名ないし2名随行します。仏教やお参りの作法的なことは、教えてもらえてよく理解できると思います。
だいたい朝8:30〜9:00に遍路行開始して、17時までに終わることが多いです。終わるように、伴走車が随行して、場合によってはショートカットしてもらうこともあります。ゴール地点から集合場所までも、車やバスで移動してもらえます。万が一、怪我をした場合でも、伴走車に乗って病院に搬送してもらえたり、次の札所まで送迎してもらたりします。
個人では心配な方は、この機会に申込下さい。
昼食・送迎込み、初参加の方は納経帳までプレゼントされて3000円はとてもリーズナブルだと思いますよ。
ただし、各札所で朱印する場合の朱印代は、参加費とは別で各自負担になります。
①コースの場合、全12箇所のうち、
お寺 150円 × 3札所
堂庵 50円 × 9札所
合計 900円
が必要になります。
1回目 2月17日(日) ①・⑤コース
2回目 3月10日(日) ②・⑥コース
3回目 4月14日(日) ③・⑦コース
4回目 5月12日(日) ④・⑧コース
参加費:3000円/人 ※お弁当は用意します。小学生以下無料。
コース
①コース(16.7km 12札所 西光寺集合)
58番西光寺 → 58奥・59・60・61・62・63・総本院・64・57・65 → 53番本覚寺
②コース(13.3km 17札所 等空庵集合)
66番等空庵 → 68・67・69・70・71・72奥・72・73・74・49・50・52・51・54・55 → 56番行者堂
③コース(16.5km 9札所 大聖寺集合)
75番大聖寺 → 76奥・77・76・番外・78・79・80 → 81番恵門ノ瀧
④コース(14.5km 9札所 吉田庵集合)
82番吉田庵 → 83・84・85・86・87・88・12 → 13番栄光寺
⑤コース(16.6km 12札所 常光寺集合)
2番碁石山 → 1・3奥・3・4・5・6・10・7・8・9 → 11番観音寺
⑥コース(11.6km 10札所 草壁港バス停集合)
14番清滝山 → 20・18・17・16・15・21・19・22 → 23番本堂
⑦コース(17.4km 11札所 安養寺集合)
24番安養寺 → 25・27・26・28・29・30・31・34・32 → 33番長勝寺
⑧コース(11.6km 14札所 保安寺集合)
40番保安寺 → 41・42・35・39・38・36・37・45・43・44・47・48 → 46番多聞寺
注意事項
- 念珠・納め札を持参ください。
- 当日は午前8:30までに集合場所に各自で集合してください。
- 初めての参加者には、参加授与品として納経帳をさしあげます。
- 前日・当日キャンセルした場合、500円(お弁当代)をいただきます
お申込み
主催:小豆島霊場会
〒761-4105 香川県小豆郡土庄町西本町
0879−62−0227(電話)
坊主カメラについて
「坊主とカメラ」「遍路とカメラ」「仏の教えとカメラ」「ファインダー越しに見えるブッディズム」等をテーマに、カメラについて語っていきたいと思います。
具体的な内容は、編集長の慈空が使用しているフジフイルムのカメラについての雑談です。
仏様を上手に撮る「仏撮り」、お寺にある仏具を上手に撮る「物撮り」をはじめ、お遍路さんの写真や季節ごとの札所の景色をメインの被写体としているので、その撮影方法や注意点などを投稿していきます。
坊主カメラの読み方は「ボンズカメラ」です。
慈空のカメラ遍歴
大学時代に、京セラの派遣でビックカメラ池袋北口でバイトしてました。売っていたカメラはCONTAXのカメラ(CONTAXは京セラの所有ブランドだった)。当時はRTSIII(30万くらいしてた)がフラグシップで、知識がないので、CONTAXを見に来たお客さんを先輩販売員に丸投げしたら、「お前何しに来てんの?給料泥棒!」と怒られ、「勉強したかったら、借金してでも買え!」と言われ、CONTAX TVS(高級コンパクトカメラ)を購入。CONTAXの一眼レフが高すぎたので妥協したゆえ、全自動のコンパクトカメラの知識は身につかなかった。
そこから親父にNikon F3(MF一眼レフ機)を譲り受け、バイト代を元手にMinolta α507si(AF一眼レフ機)を追加購入。F3を売って、Pentax LX(MF一眼レフ機)を購入。
Minoltaのレンズを地元の大阪で買って、東京で売ると小遣い稼ぎになることを発見し、転売ヤーとなる。Pentax LX関連の純正アクセサリーを、日本で定価購入してeBayで売ると、これも小遣い稼ぎになることを発見し、転売を繰り返す。気づけば、PentaxのAスターレンズを複数本所有する、レンズコレクターに昇格。
デジタル時代に突入して、NikonのCOOLPIX800、FUJIFILM F710、OLYMPUS CAMEDIA C70 ZOOM、RICOH GR DIGITAL(初代)、SIGMA DP1 Merrill、FUJIFILM XF1、Panasonic LX100、SONY RX10などを遍歴。
初めてのデジタル一眼レフとして、OLYMPUS E-1を購入。購入資金は、転売ヤー時代にコレクターしたPentaxスターレンズ群。
フォーサーズユーザーとして、E-620、E-3、E-5を遍歴。松ズームZD150/2、ZD90-250/2.8やパナの大ズミを所有するほどシステムを組み上げ愛用した。OLYMPUSがフォーサーズを撤退して失意のどん底に。OLYMPUSに絶望して、マイクロフォーサーズはパナユーザーとなりGH3、GH4を愛用して動画に目覚める。
その後、動画はSONY α7sIIを購入するが、フルサイズダブルマウントは、資金的に苦しく、X-T2でFUJIFILMの動画性能が上がったことで撤退。
静止画については、FUJIFILMのフィルムライクな色調に惚れて、OLYMPUS時代に不満があった高感度耐性も向上していることが確認できたので、満を持してマウント変更。X-E1、X-T1、X-Pro2、X-T2、X-T3と遍歴して、現在X-Pro2とX-T3ユーザー。
もともとナニワのサラリーマンだったので、守銭奴よろしく、安く買って高く売ることが板についておりますので、ヤフオク、メルカリ、個人輸入、キックスターターなど、いろんな売買をせかせかと繰り返してきました。
坊主になってからは、これではイカン!と思い、断捨離の精神で、所有欲を満たす買い物は控え、その買い物の先に衆生の幸せはあるか、を問うて、購入を見極めるようにしております。それでも心ない妻には”物欲の権化”とたしなめられております。
何を撮るか
学生時代とサラリーマン時代は、旅が好きだったので、自転車旅行や海外旅行の旅ログ的なスナップがメインでした。
坊主になって、小豆島になってからは、小豆島の景色を撮りたくなって、子供ができてからは、その自然の中で育つ子供たちがメイン被写体となりました。
また、遍路さんの写真や、霊場の景色、仏像の写真を撮りためていたら、メディアやイベントで重宝されるので、そういう需要に応えるべく、ライフワークとして記録を撮り続けております。
お寺や仏様は写真に撮ってよいものか
プロの写真家でも、お寺や仏様を撮るのは気を遣う。どこまで撮っていいか案配がわからない。という話をよく聞きます。
お寺によっては撮影はオールNGのところは少なくありません。
その主な理由は、参拝者の邪魔にならないように、という配慮のためですが、もう一つ理由があるように思います。
これはお寺の坊さん同士の意見交換でよく聞かれた意見ですが、写真ではそのお寺の荘厳な雰囲気、ご本尊の佇まいは表現できない。
そのため、写真で見て、わかったような気になられては困るので、実際足を運ばないとわからない状態を保ちたい。
これは本当にわかる気持ちです。なので、それでも来てくれる参拝者が後を絶たないのなら、お寺の人間として全面的に同意します。
しかし、現実には写真による広報をしないと、誰も来てくれません。理想と現実は違いますね。個人のブログでも、写真を載せてもらって、周知してくれるのは、大助かりのはずなんです。
しかし、世の中には誤った広報というのもあって、薄暗いお寺の本堂で、見えるか見えないか微妙な仏様の尊顔を、真正面からフラッシュを焚いて、あからさまにしてしまうのはその典型です。
「なんかケバケバしくて、別に行かなくてもいいか」「あんまり有り難いお顔ではないなぁ」など。
お寺を護持してきた人、魂を込めて仏像を彫った人、いろいろな人の意に背く行為です。
碁石山の本堂も薄暗く、ご本尊の御姿もはっきりとは見えません。だから、毎日向き合っていても、自分の心境によって、喜怒哀楽さまざまな表情を醸されます。信心や想像力で補う部分があるから、多種多様な参拝者に応対できる、とも言えます。
そのことを大事にして、仏様の威厳と荘厳な佇まいを損なうことなく、美しく・有り難い存在として写真に収める、ということを心掛けて、そこにちゃんとした技術が伴えば、お寺を護持してきた先人を裏切ることにはならないと思っております。
卒業遍路2019のご案内
春、卒業シーズンになると鈴の音を鳴らしながら、白装束のお遍路さんが近所のお寺をお参りしている光景を目にします。一体彼らは何者で何をしているのでしょうか?自分達には関係の無い存在。そう思ってしまえばそれまでなのですが、遠方から10時間以上かけて、或いは50年欠かさず、毎年小豆島を巡礼される人たちがいます。
卒業遍路はたった一日の行事ですが、本格的な遍路行をすることで、その理由の一旦に触れ、わたし達が生まれ育った場所を知り、自らの言葉で語れる機会にしたいと思っています。卒業という人生の大きなターニングポイントにおいて、この経験が今後の人生を有意義にしてくれるはず!そう信じて小豆島に根付いていく行事にしたいと想っています。
【日 程】2019年3月19日(火)9:00~17:00
【場 所】小豆島町 苗羽~坂手~田ノ浦方面
【対 象】2019年3月に卒業する中高生 定員50名
【参加費用】1人2,000円(昼食込・保険料込)
【集合場所】1.富丘八幡神社馬場8:00 または 2.小豆島町立図書館前8:30
または 3.常光寺8:45
【解散場所】集合場所で 土庄18:00 内海17:30ごろ解散予定
【申込締切】3月14日(木)
【持ちもの】山歩きができる服装と靴、タオル、水筒、雨合羽(雨天時)、
筆記用具、保険証(コピー可) ※遍路備品はこちらで用意します。
【申込方法】学校の先生に申し込み書を提出するか、
お問合せ先の電話またはメールにてお申し込みください。
【問合せ先】卒業遍路実行委員会(担当:大林 090-2386-1933 / info@aruki-henro.com)
【主 催】卒業遍路実行委員会
参加者全員に〈御利益いっぱいのパワーストーン念珠〉と
〈お遍路の様子を撮影した写真アルバム〉をプレゼント!
※万が一発生した事故については特約保険の範囲において対応いたします。
※スケジュールは変更する場合があります。
卒業遍路2018を行いました。
3月15日木曜日に4回目となる卒業遍路を行いました。
4回目ということは、第1回目に参加してくれた中学3年生が、高校3年生になる年です。今までのアンケート結果を見るに、参加者の満足度がとても高い行事なので、リピーターが集まるはず!というところでしたが、蓋を開けてみると、2度目の参加者は1人だけでした。
参加者は結果として27名。その内中学生が24名という偏りの大きさでした。この原因は、小豆島中央高校に統合されて最初の年だったので、そこでの集客のむずかしさを感じました。
お遍路=宗教行事と見られる傾向があることから、学校行事としてやっていません。しかし、学校から申込用紙の配布と案内をしていただいています。その範囲において、先生方の理解や関心の度合いによって、参加を勧める、まで行かなくても、〆切日に「申込ないか?」と促したり、わかりやすい告知をしていただけるようになりました。新高校は教師は同じでも、その下積みがまた1からになってしまったのかもしれません。
さて、当日の天気は、小春日和の快晴で、抜群の遍路日和でした。
スタート地点が伊喜末の松林寺なので、集合場所としてのハードルが高いため、例年通り、内海地区は小豆島町立図書館前(安田馬場前)に、土庄地区は富丘八幡馬場前に、集合してもらい、そこからバス送迎しました。
遅刻者はなく予定通り9:00スタート。
最初に、遍路の心構えとか、装備のこと、お経のこと、代参企画のこと、必要事項を諸々説明して、開始しました。
68番松林寺、67番瑞雲堂、69番瑠璃堂・・・通学路でも、住民でなければ、歩いたこともないであろう四海地区の路地道を歩き、豊島を間近に感じる西海岸からの海を横目に、札所を巡りました。
瑠璃堂から、長浜の70番長勝寺、昼食を食べる滝宮自治会館は、小さな峠越えもあり、牛舎もある田園地帯をのんびり歩き、南の景色しかしらない子供たちは、小豆島にこんなところがあったんだーと驚きながら歩いたことだろうと思います。
滝宮自治会館は、旧札所である滝宮がある場所で、現在はその近くに本地仏を移して滝宮堂となっています。
今回巡った札所で言えば、瑞雲堂も、もともと伊喜末八幡の別当寺であった瑞雲寺の仏様を移設した堂庵であるので、明治維新時の廃仏毀釈によって、お宮からお寺へ札所が移り変わった場所でした。個人的な関心もあって、そうした札所の移り変わりがなぜ行われたのか、解説しました。中高生にとっては、教科書の中でほんのチョロッとしか登場しない、廃物稀釈や神仏習合といった言葉の意味が、少しでも垣間見えたら幸いと思います。でも、よっぽど歴史が好きな子しか、右から左の話だったようにも思います。
昼食の前に、スタッフメンバーでもある、宝生院住職の高橋寿明師(土庄中学、土庄高校出身)と、岩谷でカフェを経営する瀧下祐輔(内海中学、小豆島高校出身)さんに登壇いただいて、「先輩の体験談を聞く」時間を設けました。
私がプレゼンターになって、2人に話を振る鼎談形式を採用しました。話が盛り上がったかは、微妙なところでしたが、島出身の彼らが、どのような学生時代を過ごし、当時何を考え、島を出て、何を経験し、何を思って帰ってきたのか、そういう話をしました。模範解答でも、愛郷心の植え付けでも無く、ただ1例として、そうした行き方から、これからの自分の指針となる何かを育んでくれたら、と思います。
島外から島へIターン移住者としてやってきた経験から、「島に帰って来ても、帰ってこなくても、それぞれ楽しいこともあるし、そこでしかできないことがあるなら帰ってくる必要もないと思う。しかし、島で育った人のつながりの深さは正直羨ましい」という感想を添えました。私の場合、故郷に帰ることは無いと思うので、つながりを切ってきた寂しさはどうしても拭えません。
昼食は、恒例の小豆島産の豚(鈴木農園)を、小豆島食品さんで炊き込んで作った豚丼。1回目だけスパイスカレーでしたが、2回目以降、このパターンで毎度好評です。
昼食後は、この後参拝する笠ヶ瀧の護摩木に願いを書き、2班に分かれて、次の71番滝宮堂を目指す班と、残って写経体験をする班に分かれました。
どうして班分けをしたかというと、笠ヶ瀧の本堂で護摩祈祷をするのに、それほど人数が入れないからです。15人くらいが。27人にスタッフが10名ほど同行していたので、30分ずらして参拝しました。
写経体験は、代参企画(リンク)で、介護施設からお預かりした写経を奉納する習慣がお遍路にはあることと、我が身でその実践をして、みなさんがどういう気持ちと労力でそれを託してくれたのかを感じるため。
般若心経1巻が定番ですが、筆に慣れていない若者がやると2時間コースなので、最後の音写(ぎゃーてーぎゃーてー)の部分を切り取って、30分時間をとりました。
すごく熱心に書く子が多くて、失敗や書き直しは皆無でしたが、30分みっちりかかった子もいました。
滝宮堂から72番奥の院笠ヶ瀧へ至る、峠道は今回のハイライト。竹林を抜け、ごつごつした岩場を辿り、笠ヶ瀧の境内からは鎖場をよじ登り・・・高所恐怖症の子が何人かいて、トラウマになったかも知れませんが、なんとか全員、怪我無く無事に本堂で護摩祈祷できました。
笠ヶ瀧の護摩は、岩屋の本堂の中で行う小豆島霊場独特のものです。引率僧呂の朗々とした読経が響く荘厳な雰囲気の中、自分たちの願いを託した護摩木が炎に投じられる体験は、一生忘れることのできないものになったんじゃないかな、と思います。
笠ヶ瀧から、登ってきたよりも更に急な鎖場を下りて、72番瀧湖寺、73番救世堂を参拝。救世堂では、先に進んだ班が写経を行い、後続の班と合流しました。
最後の75番大聖寺には16:30頃に到着し、余裕を見た割に、終始遅れ気味で、最後はほぼ予定通り結願できました。
参加者の中には、今回初めて伴走車に乗った子もいましたが、全員が怪我なく、全ての札所を参拝して結願しました。
卒業遍路2018のご案内
春、卒業シーズンになると鈴の音を鳴らしながら、白装束のお遍路さんが近所のお寺をお参りしている光景を目にします。一体彼らは何者で何をしているのでしょうか?自分達には関係の無い存在。そう思ってしまえばそれまでなのですが、遠方から10時間以上かけて、或いは50年欠かさず、毎年小豆島を巡礼される人たちがいます。
卒業遍路はたった一日の行事ですが、本格的な遍路行をすることで、その理由の一旦に触れ、わたし達が生まれ育った場所を知り、自らの言葉で語れる機会にしたいと思っています。卒業という人生の大きなターニングポイントにおいて、この経験が今後の人生を有意義にしてくれるはず!そう信じて小豆島に根付いていく行事にしたいと想っています。
【日 程】2018年3月15日(木)9:00~17:00
【場 所】伊喜末・滝宮・笠滝周辺
【対 象】2018年3月に卒業する島内中高生 定員50名
【参加費用】1人2,000円(昼食込・保険料込)
【集合場所】1.富丘八幡神社馬場8:30 または 2.小豆島町立図書館前8:00
または 3.伊喜末松林寺8:45
【解散場所】集合場所で 土庄17:30 内海18:00ごろ解散予定
【申込締切】3月12日(月)※定員になり次第締め切ります。
【持ちもの】山歩きができる服装と靴、タオル、水筒、雨合羽(雨天時)、
筆記用具、保険証(コピー可) ※遍路備品はこちらで用意します。
【申込方法】学校の先生に申し込み書を提出するか、
お問合せ先の電話またはメールにてお申し込みください。
【問合せ先】卒業遍路実行委員会(担当:大林 090-2386-1933 / info@aruki-henro.com)
【主 催】卒業遍路実行委員会
参加者全員に〈御利益いっぱいのパワーストーン念珠〉と
〈お遍路の様子を撮影した写真アルバム〉をプレゼント!
※万が一発生した事故については特約保険の範囲において対応いたします。
※スケジュールは変更する場合があります。
※卒業遍路は小豆島町生涯学習のまちづくり支援事業です。
初めての人向けの歩き遍路
初めての人向けのお遍路行事を行います。
その名も「小豆島 初遍路」。
常に思っていることですが、お遍路に正解はなく、その魅力もみなさんそれぞれが感じていただければ十分だと思います。
しかし、どうしてなんだろう?と思うことに最初はたくさん出会うのも事実。
初遍路では、そのどうして?に寄り添って、少しずつ解説をしながらお遍路します。
そしたら誰でもシンプルにお遍路の楽しさに夢中になれるのではないか、と思います。
主催は、小豆島クリエイティブです。
卒業遍路2017の動画
卒業遍路のドキュメンタリー動画を作成しました。
卒業遍路やりました by 卒業遍路スタッフ
2017年3月15日に、卒業遍路を無魔成満しました。
参加者は昨年より1名増えて、36名。
大きな変化としては、小豆島に2つある町(小豆島町と土庄町)のうち、今までは小豆島町からの参加者が圧倒的に多かったのですが、今年は一転して土庄町からの参加者が多く、島全体の行事として偏り無く浸透してきたことを嬉しく思います。
卒業遍路の内容&感想について
今年からお手伝いをいただいた3人のスタッフに寄稿していただきましたので、まとめて記載します。
【単身赴任2年目ホテルマン Y.N】
今回卒業遍路にスタッフとして一緒に歩いてみて感じたこと、考えさせられたことを県外から赴任したもの目線で書かせていただきます。
私は約1年前に岡山より小豆島に異動してきて、畑違いのホテルのフロント業をすることとなりました。観光地のフロントは”情報屋”といっても過言ではありません。多種多様なお客様に丁寧かつ的確に情報を瞬時に提供しないといけません。昨年は覚えることの多さに苦悩したのを覚えています。
小豆島は離れるということは特別なこと。私のように岡山市内の田舎を離れるのとは少し違い、どこか違う国に行くのに近いものを感じます。小豆島は観光資源がとても多く、観光スポットや伝統文化、特産品など小豆島出身者であれば知っておかないといけない事は沢山あると思います。しかし地元の人からして見れば育ってきた環境は普遍的で当たり前のこと。小豆島の素晴らしさに気にとめることも無く過ごしてきたことと思います。実際に小豆島のお遍路を歩いたことがある人は少ないです。
小豆島のお遍路は四国と違い、山岳霊場も多く寺院から見る風景はとても幻想的です。しかしそこまでの道は遠く、険しい山道を登って行かなければなりません。最初はみんな怪訝そうな表情です。しかし無心に歩く内に学生時代の思い出を振り返り、近況報告などをし合ううちに会話が自然と溢れ、次第に笑顔になっていきます。面と向かって会話をする機会も少なくなってきている現代では少し珍しい光景です。険しい山道や下り坂、護摩祈祷などの一連の修行を終えた後は少し大人になった表情。”どこに行ってもやれる”そんな自信さえ窺えます。
卒業遍路に参加して学生と一緒に歩いて見えてきたもの。それは”この時期に今の仲間と地元小豆島を歩くこと”にあると思います。人生の節目に同じ環境で育った仲間と歩くことはかけがえのない事です。4月からは小豆島を離れた生活が始まります。寂しくなったら皆で歩いたことを思い返すことで小豆島の良さを再認識できることでしょう。時には伝道師として小豆島の魅力を伝えることも小豆島人としての使命なのかもしれません。
【代参企画を手伝ってくれた福祉施設職員 G.K】
軽費老人ホームシーサイドサンシャインでは写経とお地蔵さんの前掛け作り、菩薩様の塗り絵を行いました。
前掛けは2名の方に依頼し手伝ってもらいましたが、その他1名の方は自主的に作り持ってきてくれました。積極的に参加してくれました。
写経は初め5名ぐらいの方に声掛けしましたが、それぞれに他の方を誘って皆で集まって書いてくれました。書道クラブの時間に書いてくれた方もいます。
いつもはこんなに字を書くことがないと言われる方もせっかく代参してくれるならと集中して書き上げてくれました。
塗り絵は1名の方が書いてくれました。もともと塗り絵が好きな方ではありましたがどんな色を塗ったらいいかと考えながら自己流で行いました。
中高生の若い子がお遍路を歩いてまわることをみんな感心していました。
他部署にも写経や前掛けへの文字書きを依頼しましたが、時間がない中でも職員がお手伝いし一生懸命行ってくれたと思います。写経を書くうちに般若心経を思い出したと言われる方もいました。
若い世代と高齢者がこのように繋がれる機会がもっと増えてほしいと思います。
特別養護老人ホームリベラルサンシャインは、利用者にお地蔵さんの前掛けに願い事を書いて貰いましたが、自分達では遍路周りに行けないが、その代わりに学生が利用者の願いを届けてくれるということはすばらしいと思いました。サンシャインと学生との繋がりもできて良かったと思います。
認知症対応型共同生活介護グループホーム北のおひさまでは写経をしてもらいました。何かに集中する事は良い事だと思いました。
小規模多機能型居宅介護サンリゾートでは写経を書いて頂いたのは一人でした。はじめは自信がないと言っていましたが、書き始めると思い出したとのことです。
若い人には聞きなれない「般若心経」ですが、昔とった杵柄でしょうかお彼岸ということで利用時に「般若心経」を唱える場面がありました。
今回代参企画ということでサンシャインの利用者の方々にお地蔵さんの前掛け、写経、写仏の作成していただき、願い事を記入したものを各お寺で参加した学生たちに奉納してもらいました。
お地蔵さんの前掛けはお寺や遍路道にあるお地蔵につけてもらいました。
前掛けをつける際に、お地蔵さんに声かけをしてくれる学生もいて、学生たちの中でも代参をしている意識は高かったのではないでしょうか。
過酷な遍路道を進む中で弱音を口にする学生もいましたが、誰1人としてリタイヤすることなく最後までやりとげることができたのはとてもすばらしいことであり、利用者の方々の思いも
無駄にならない結果となったと思います。今回初めて同行させていただく中で、お遍路文化がどれほど大切で、とてもすばらしいものだということを実感することができました。
またこのような企画にサンシャインの利用者の方々にお声かけいただいたことも大変感謝しております。次回またご協力できることがありましたら、ぜひお声かけいただきたいと思います。
微力ながらご協力させていただきます。この度は本当にありがとうございました。
【高野山より移住2年目の霊場寺院副住職 R.Y】
平成29年3月15日、この春卒業を迎える小豆島の中学高校3年生を対象に卒業遍路が行われた。噂では聞いていたが、今回私は初めてスタッフとして参加させていただいた。目的は「卒業」という節目に自分が生まれ育った小豆島の88ヶ所霊場をお遍路して、自分の故郷の素晴らしさを体感し、島を出ていく者はその誇りを胸に巣立ってほしい。そして、将来には様々な体験経験を土産にこの小豆島へ戻ってきてほしいというものだ。
今回のコースは歩き遍路の中でも一番険しい所。白装束、金剛杖、袈裟を身につけ、見た目は一人前のお遍路さん。しかし、ある学生は出発前の集合場所でいきなり「えー、今日はバスじゃなくて、歩くんですかー?」とビックリするような質問をしてくる始末。今日は一体どうなることだろうと不安のスタート。
今回は88ヶ所の札所のうち、5ヶ所の遍路となった。最初の札所は海岸線付近から標高約300メートルまで一気に昇る山道。しかし、いざお遍路がスタートすると皆エネルギーを爆発させるように急な遍路道をキャッキャと会話しながら飛ぶように進んで行く。一方、私はまったく話す余裕も無く、ただただついて行くのがやっとであった。早くも若さのパワーを目の当たりにさせられてしまった。
1時間程で最初の札所へ着くと皆それぞれが護摩木に自分の名前と数え年を書いて、僧侶の方が真っ暗な洞窟の中で護摩を焚いてくれた。真っ赤な炎が上がる中、皆正座をしお経の本を手に、必死に般若心経や不動明王の真言を唱える。お経をただ目で追うだけの者、少し口を動かし何とか声をだそうとする者、はっきりと大きな声でお唱えしている者と様々。この違いを想像するに、恐らく普段から般若心経に触れる機会の多少に関係しているのだろう。そして、それはその子の環境において神仏に対する畏敬や信仰が満ちているかいないか、という事にも繋がる気がした。神秘的の護摩焚きを終え、麓の公民館で休憩。ここではまず小豆島で生まれ一度島を離れたが帰島し、現在島で仕事をしている方のお話しを聞いた。学生からは「今の仕事をいつ頃決意したのか?」という質問もあり、皆興味深く聞き入っていた。人生には色んな選択肢があるが、この時間は必ずや学生達の一助となることだろう。
昼食の美味しい豚丼でお腹もいっぱいになり、いよいよ足に豆が出来るという豆坂峠へ。この峠でもやはり皆、会話が絶えない。大人たちの遍路では主に仕事や病気、人間関係の話などだが、中学高校生となると学校の話、ゲームの話、部活の話、恋愛の話・・・。そんな中、辛そうな友人に「大丈夫?」と何度も声をかける女の子がいた。自分も足が痛くて辛いのに他を気遣う優しい子だと感心した。「自分だけ良ければ」という昨今、この遍路で忘れかけていた他を思いやる優しさに触れることができ、仏さまのようなあの女の子に感謝です。
豆坂峠も無事に越え、いよいよ最終札所へ歩を進める。脱落者も無く皆無事に踏破!肉体的精神的にもかなり疲れていたが、最後の読経は全員大きな声で般若心経をお唱えできるようになっていた。この短時間での子どもたちの成長には驚嘆させられてしまった。
最後に、お大師さま(弘法大師・空海)が残されたお言葉を紹介する。
「物の興廃(こうはい)は必ず人に由(よ)る。人の昇沈(しょうちん)は定めて道に在り。」
これは、全ての物事が興隆したり廃れたりする原因は必ず人に由来するのである。そして、人が優れた者となるのも、ならないのも、全てその道の学び方にあるということ。「道」とは結果や成果ではなく、プロセス(過程)であり、目的へ向かって歩む姿勢のあり方を意味している。
人生という「道」を歩む時、様々な体験経験を積み重ねる。それをどう受け止め、どう生かすかは自分次第なのである。
生まれ育った故郷には不思議な力がある。私も故郷の景色や空気を感じると理由もなくホッとする。これから辛いことや悲しいことがたくさんあるかもしれない。そんな時はいつでも生まれ育った小豆島へ帰っておいで。皆にとってここは魂を解放できる唯一の場所なのだから・・・。
卒業遍路と代参企画
以前の投稿にも書きましたが、今年の卒業遍路には、代参企画を盛り込みます。
<3年目の卒業遍路>
どういうことかと言うと・・・
歩けない人の想いを、卒業生が代表して持っていく
さらにわかりやすく言うと・・・
お遍路に興味があるけれど、歩き遍路するのは難しい人に、卒業生に託すモノをつくってもらい、それを子供たちがお参りした札所に納めていく
ということです。
どうしてそんなことをやろうかと思ったか。
きっかけは、卒業遍路のことを応援してくれる人・趣旨に賛同してくれる人から、「私らは参加できないんよね?」と言われたことです。
卒業遍路は、良くも悪くも、卒業生のための行事なので、一緒に歩きたい!と思っても、卒業生しか参加できません。
卒業生だけの行事だったら、大多数の人にとっては関係の無い行事なので、「勝手にやれば?」と言われてしまいます。
興味を持ってくれる人が、少しでも関わることができるようにしたい。
そこで思いついたのが、卒業生じゃない人の願いを、卒業生たちが代表して持っていく、という要素を加えたら、一気に”みんなの”行事になるじゃないか ということです。
それに、卒業遍路を続けていくためには、小豆島の中において、広く周知することが大切です。
広報は、各施設にポスターを貼らせてもらったり、努力はしていますが、まだまだ知らない人が多いです。
代参企画を盛り込むことで、協力者を増やし、参加者も増やせると思いました。
代参で託すモノとは、
★写経
★写仏
・納め札
・お布施・お賽銭
・お供え物・食べ物
・護摩木
★お地蔵様の前掛け
★折り鶴などの折り紙
★道案内札
など
が一般的に考えられます。
その中で、★印をつけたものを、島内のいくつかの介護施設・障害者施設にお願いすることにしました。
この2つの施設を選んだ理由として・・・
介護施設の方は、年配の方が多いので、昔お遍路をしていた、札所の世話をしていた、日課として写経している、等の遍路に馴染み深い方が多いので、協力を得られそう。
障害者施設の方も、お寺へお参りに来られることもあり、裁縫や色塗り等、できる範囲でつくってもらえるものがあるんじゃないか、と考えたからです。
スタッフが行ける施設、卒業生が持って行ける数、を考慮して、知り合いのいる施設だけになってしまいましたが、趣旨に賛同をいただけて、託されるモノが集まりそうです。
ありがたや。
慈空拝